2021.4.10 更新追記
開業をご検討の方へ(リスクについての説明)
~ 経営リスク急上昇!のコインランドリー ~
 
警 鐘
ちょっと待って! いまからやって大丈夫?
ますます儲からなくなっているコインランドリー経営!
 
アパマン、太陽光などの投資ブームの次に到来した「コインランドリー投資」
数年前からバブルとなって久しいのですが、
その増殖スピードたるや、本来10年かけて増えるほどの店舗数が、
たった3~4年で隅々まで行き渡ってしまっているような状態です
 
それなのに「コインランドリーって儲かるらしいね!」
と、メーカーの事業説明会をそのまま鵜呑みにして
弊社に連絡をくださる開業希望の方が後を絶ちません
 
確かに繁盛しそうな物件や、地主として物件をお持ちの方もいらっしゃるでしょう
しかし、数年前ならいざ知らず、今から新規にスタートでは
儲かるどころか損する可能性が高いです
 
弊社にも毎週、開業希望のご連絡を頂戴しておりますが、
開業リスクを丁寧に説明すると
殆どの方が開業を保留されます
 
加盟金や保証金、ロイヤリティなど一切不要という
弊社FCのボーテ方式をもってしても
地主でよほどの節税が可能なケースを除き、
事業としての旨味がなくなりつつあります
 
では何故儲からなくなったのか?
ここ数年で急激に儲からなくなった当たり前の理由
 
について、以下にまとめてみました
是非お目通しのうえ、それでも開業に興味をお持ちの方は、
【フランチャイズ加盟】のページへお進みください
 
 
原因1 コロナ不景気 及び 巣ごもりによる宅内洗濯の増加
 
コロナの影響により、テレワークや休みの増加など
自宅で過ごす滞在時間が増え、
急いで洗濯乾燥を済ませたいという需要が減少しています
前年比10~20%ほど売上がダウンしています
また観光収入が主だった地域ではコロナ不景気により
財布の紐を締める傾向にあり、前年比で大幅に売上が減少しています
 
 
原因2 開業コストの急上昇
 
毎年全国で頻発する水害や震災により建築コストがどんどん高騰しています
建材や資材だけでなく、
団塊世代の引退による人手不足により人件費も高騰しており
ここ10年で、建築や改装工事の総コストが約20~25%以上も高くなっています
これはそのまま最終利益の大幅減という結果に跳ね返ってきます
不景気が続いて多少コストが安くなる可能性はありますが、
当時の水準にはとても戻りません
 
 
原因3 猛暑や水害などの天候不順
 
生まれて初めて経験するような洪水や、50年に一度の水害、
過去最大級に発達した台風が接近といったニュースを
よく耳にするようになりました
 
我々にとって最も恩恵のある、「シトシト降る雨」は確実に減っており、
降れば洪水、雨季が終わると連日の日照り猛暑
といった極端な気候に変動しています
 
地球温暖化や様々な要因により、
マイルドな四季という日本古来の気候はなくなりつつあり
コインランドリーの安定経営に対する脅威となっています
 
 
原因4  たった5年で消費税が倍増、
でも利用料金は値上げできない業界
 
消費したら税金を取りますよ、という消費税
実質、消費へのペナルティーでもあるわけですが、
2014年3月まで5%だった消費税が、
わずか5年後には10%となっております
 
コインランドリーでは利用料金が税込みですので
現金で売上100万円の場合、実質90万円となります
 
さらに、競争に欠かせないチャージ型カードは、
殆どのボーテ店舗で導入しておりますが
チャージ毎に10%オマケしたり、
利用するたびに利用料金の2%をカードに付与しています
つまり ボーテカード利用客には12%もオマケ しています
 
ということは売上のうち半分がカードなので、
オマケ分6%のコストも経費と見込んでおかないといけません
しかもチャージして「当たり」がでると更に100円分オマケもしています
このようにボーテ店舗はオマケやサービスばかりしていますので
お客様からの人気はそれなりに頂けております
 
しかし店舗側は大変です 
売上管理画面で稼働売上は100万と表示されていても、
税別だと90万円で
そこからオマケ費用6%を差し引くため
実質 84万しか粗利が残らない
ということになります
 
この状態でも既に相当厳しいのですが、
ここから通常の経費が引かれていきます
 
開業後には、洗剤・カード・電気・ガス・水道・通信費他といった
ランニングコストが約30%も必要です
もちろんそれらにも消費税がしっかり10%かかりますので
結構ダブルパンチです(還付はありますが..)
 
さらに将来的に
ランニングコストである水道代も値上がりが確実視されています
追い打ちをかけるように、盗難や両替機荒らし、
台風などによる看板の破損といった
自然災害も増加の一途であり 
連動して店舗の火災保険料も大幅に上昇しています
 
火災保険料は2021年1月から 1.4倍 に大幅値上げとなりました
頻発する両替機荒らしや水害などの自然災害、
店舗への接触事故などが原因と思われます
  
このように2014年以前に開業したオーナーに比べますと
開業前から大幅に利益見通しが厳しくなっております
 
まず競合店云々の前に、既にこの「事実」が深刻です
 
じゃ利用料金を値上げすれば良いのでは?
という話もありますが、そう簡単にできませんよね。
なにせ競合店を気にして
 
40年ずっと乾燥10分100円でやっている
 
不思議な業界なんです
それどころか、むしろ競争激化で
乾燥時間を延長して12分100円や15分100円に
値下げする店舗も多々あります
 
ボーテでも、激戦区の場合は仕方なく
開業時から乾燥15分100円の設定で
オープンする店舗もあります
 
 
 
原因5 短期間で競合店が驚異的に増えている
 
何を言ってもこれが最大の原因ではないでしょうか
上記の原因1~4 に加えて、この競合店激増という事態です
他の業界同様、このコインランドリー業界も同じ道を辿って
スーパーレッドオーシャン化しています
 
仮の話ですが
売上管理画面上で税込月商150万(税抜135万)の凄い売上の
コインランドリー「A」
という店があったとしましょう
この店はいつもお客さんで溢れています
(売上が平均100万を超える店は実際はほんの一握りですが・・・)
 
ここの特徴はスタッフ常駐の有人接客であり、
好評ではあるものの
以下の経費がかかっていると仮定します
 
洗剤や水道光熱費が45万(売上の30%)
清掃含む人件費やコールセンター費用が計15万
賃料が30万(地主の場合は固定資産税が10万前後)
さらに減価償却費と火災保険や償却資産税などで30~40万
 
つまり損益分岐点も最大130万前後となります
 
加盟金・保証金・ロイヤリティがあれば、なお負担増です
実際はICカードに貯まるポイント分も6%(約8万)ほど
さらに上乗せされ、経費は最大で138万となります
 
つまり、税抜き135万の売上を維持し続けても実質赤字となり 
これはリスクが高い店舗だ、となります
 
でも周りからは繁盛して儲かっているようにしか見えません
月商150万(税込)の店ですから、
雨の日だけでなく晴れてる日でも駐車場にはクルマがそこそこ入っているので
そう見えるのは仕方ありません
 
ところがしばらくして、やはり競合店ができてしまいました
最新型の競合店「B」が1kmの距離にオープンしました
「A」店は売上が約3割も下がってしまいました
 
つまり翌月から、「A」店の売上は
損益分岐点を大幅に下回ります
地主で一括償却していてもトントン位でしょう
あなたがオーナーだったらだんだん心配になるでしょうね
 
さらにこれだけで終わらず
反対方向1km離れたところに、
似たような競合店「C」店ができて
競合店に挟まれてしまったら
どうなるでしょうか?
考えただけでも恐ろしいですね。
 
「C」店のオーナーは、以前から繁盛していたA店を目にしており
自分も是非開業したいと思っていたかもしれません
 
しかも「C」店も地主であり賃料ゼロで
メーカーに勧められ開業時に一括償却していた、
なんてよくありがちなケースだとしたら...
 
1kmというのは郊外なら車で5分ぐらいの距離ですし
A店にとっては考えただけで恐ろしいですが、
 
実際には1kmどころか
200mや50mの距離にぽんぽん競合店ができています
そうなった場合、FC本部は店舗を買い取ってくれますか?
 
そうです、結局コインランドリーは
 
損益分岐点がとっても高い店をつくったら大負け
 
という商売なのです
損益分岐点が低ければ利用料金も下げられますので
競争力がある状態をキープできるのです
 
どんなに良い立地でも、至近距離に新店舗ができますと
必ず一定の影響を受けます
たとえ大型商業施設内であっても、
その周辺に競合店がベタベタできたら相当の影響を受けます
 
コインランドリーだけさっと使いたい方にとっては
大型商業施設の駐車場にわざわざ入りたくない場合もあります
 
いずれにしても競合店ができて当たり前という覚悟が必要です
そのような状態になるのが、過去の経験からわかっているため
ボーテFCでは
ロイヤリティや加盟金は一切頂戴しておりません
FC店舗の損益分岐点を限界まで下げるためです
 
しかし今後もコインランドリーへの異業種からの参入など
競合店は増加の一途だと思われます
 
やはりこれは一因として
「 機器メーカーや販売店の都合 」
が存在していると言わざるを得ません
1年中、事業説明会を開催して開業オーナーを募っています
参加された経験がある方も多いのではないでしょうか?
 
 
(まだリスクに興味がある方は以下をお読みくださいませ)
 
 
少し前にこんなことがありました。
ある地方都市でオープンの準備をしていたところ
200mしか離れていない場所でコインランドリーらしき工事現場が確認されました
 
よくある話なので、警戒しつつも、
他メーカーなら、不運な交通事故ぐらいの認識でした
弊社の仕入先であるメーカーA社の担当に聞いても、
 
さあ、特に何も聞いてないです。
どこのメーカーですかね~
ぐらいの回答でした
 
ところが、後日、
弊社と同じ仕入先メーカーA社の、
しかも「同じ営業所」の、
なんと「別の担当者」が機器を搬入しておりました
 
唖然としましたね。
 
メーカーにとって、その出荷情報はもちろん秘密のため、
至近距離で競合することが事前にわかっていようが、
機器を卸す販売店や店舗オーナーにも、その情報を一切教えることはありません
事前に出荷情報を流すことはできないのです
 
ただ目の前の現実として、
 
不幸なコインランドリーオーナーが同時に2名誕生となりました 
これから長きに渡り、この2店舗は、同じ商圏内で、
限られたパイを取り合って
不採算経営もしくは採算ギリギリの経営を迫られるかもしれないのです。
どちらかが撤退するまで...
 
同じメーカーの
同じ営業所から
同じような場所に
同じような時期に
同じような構成で出荷し
同じようなオープンセールを実施
 
恐ろしいですね
長年この業界で仕事をしてますが、あまり記憶になかったので
ついにこんな時代になったか、と身につまされる想いでした。
 
この状況でメーカーの担当者から
 
オープンおめでとうございます!
 
なんて言われたらどうしようかと思いましたが
特に何も言われませんでした
さすがに「 このたびはご愁傷様です 」とも言いませんが
ただ「 申し訳ありません 」と丁重にお詫びをされました
そう言うしかないのでしょう
 
しかし、このようなケースが日本全国で増えていった場合、
 
銀行の融資審査も激辛になっていくと予測されますので、
本当に一括償却ができるオーナーしかできない商売
 
になるかもしれません。
しかも最近は、昨今のコロナ不況で先が読めず、
一括償却どころではないでしょう
 
また、よっぽどの人口集積地でない限り、
コインランドリーには秋葉原や大須のような同業集積のメリットはほぼありません
お客さんは10kmも20kmも離れた場所からは来ません
 
しかもコンビニと違ってまだ生活必須業種には至っておりません
 
コインランドリーが無くても生活できます
 
機器販売益をしっかりとってくる販売店が殆どですから、
出店さえしてもらえば利益確定で良しなのです
(オーナーは不幸ですが...)
 
ボーテFCはそのような仕組みではないため、
事前にわかっているのなら、よっぽどの理由がない限り
出店しないようお願いすることが多いです
 
それでもよく、
コインランドリーは利用率がまだ低いので将来性など期待できると聞いたが...
という話を、開業検討中の方からお話されることがあります
 
その場合、
利用客が増えるスピードより
数倍のスピードで新店舗が続々オープンしていますよ
とお応えしています
 
さきほどの例は、同じメーカーでしたが、
異なるメーカー同士ですと、
潰すために20m隣に
わざと出店したり、出店されたり
50m隣に同時期にオープン!なんて事例も多数あります
 
 
いかがでしたか?
 
 
少しはコインランドリー投資もそろそろ厳しいかもと思えませんか?
もちろん全否定はしません
以前に比べ、良い物件でもリスクはかなり上がっていますよ
という意味です
 
しょせんコインランドリー、100円商売です
 
 
何卒慎重にご検討くださいますよう、お願いを申し上げます
 
それでも興味をお持ちの場合は、
【フランチャイズ加盟】 のページをお読みくださいませ
 
 
 以上 開業リスクの説明とさせて頂きます
 
 
ボーテFC本部代表
山田  友貴